入れ歯

入れ歯は、お口の病気や突然の事故などによって、失ってしまった自分の歯の代わりとして装着する人工歯のことです。

よく『歯が数本無くても、日常生活に支障はない』とお考えの方もたくさんいますが、歯を失った状態を長く続けてしまうと、かみ合わせや歯並びが悪くなる、虫歯や歯周病になりやすくなる、おしゃべりがしにくくなる、体調に影響が出やすくなるなど、さまざまなデメリットがあります。

当院では、来院された患者さまのお口とカラダの健康を守るため、患者さまのお口の状態やライフスタイルなどに合わせ、使用する素材、デザイン、治療技術などを、患者さまとご相談しながら、1つ1つ丁寧に入れ歯をお作りしています。

入れ歯の種類・特徴

入れ歯種類

入れ歯は大きく分けて「保険適用」と「保険適用外 (自由診療)」の2タイプがあります。

保険適用の入れ歯は、製作費用がとてもお安く、製作工程も少ないため、比較的短期間で入れ歯を作ることができます。しかし、保険適用の入れ歯は、患者さまのお口を必要最低限の原状回復させることを目的として作られるため、型取りやかみ合わせの確認などに時間を割くことができません。そのため、入れ歯が完成したあと、何度も微調整を行う必要があります。

一方、保険適用外の入れ歯は、保険が適用されず、入れ歯の製作期間も3ヶ月ほどと長くなってしまう代わりに、時間をかけて精密な型取りやかみ合わせの確認などを行いますので、入れ歯の完成後に微調整する回数が少なくて済みます。

当院は、入れ歯の製作を得意としている歯科医院でございますので、「保険適用」と「保険適用外」どちらの入れ歯をご希望されても、患者さまのお口に合うよう、丁寧な入れ歯作りを心がけています。

現在、お作りさせていただいている入れ歯の種類は、「金属床」「ノンクラスプ」「レジン床」3タイプになります。
三者三様、それぞれ異なる特徴を持った素材でお作りしておりますので、『どの入れ歯が自分にピッタリなのか』と、お困りの患者さまは、遠慮なくご相談ください。

金属床義歯

金属床

金属床義歯とは、「床 (しょう)」と呼ばれている入れ歯の土台部分が、金属で作られた入れ歯のことです。義歯床を金属製にすることで、これまで以上に薄くて軽やかな入れ歯が作れるようになり、おしゃべりがしやすく、装着時の違和感や不快感が抑えられた入れ歯となりました。

また、金属は熱伝導性に優れた素材ですので、食べ物や飲み物の温度がハッキリと分かります。そのため、歯を失う前と同じような感覚で、食事や飲み物を楽しむことができます。ほかにも、

  • ほとんどの症例で使用することができる
  • 入れ歯に臭いや汚れが付きにくい
  • より細かな調節ができ、自分のお口にピッタリな入れ歯が作れる
  • 割れにくく、変形しにくい

など、さまざまなメリットがあります。以下は金属床で使われる金属の種類です。

チタン

チタン金属床

歯科用金属のなかでは、もっとも生体親和性に優れているとされるチタンには、「純チタン」と「チタン合金」の2種類あります。純チタンは、耐蝕性と対金属アレルギーにとても優れた金属素材です。けれど、入れ歯を支えるクラスプ部分の弾性、長期間の使用による耐久性、入れ歯設計の自由度などに限界があります。

一方、チタン合金は、添加剤として「ニオブ」が含まれているため、純チタンと比べ、引っ張り強度、MPA (耐力)、HV (硬さ)が高くなっています。さらに、クラスプ部分も、純チタンを使用したときよりも、細くすることができるため、部分入れ歯の素材としても使用されるケースが増えています。

チタン製の入れ歯は、装着時の違和感や不快感を軽減したい、入れ歯の装着感を抑えたいとお考えの患者さまにおすすめです。

コバルトクロム

コバルトクロム金属床

入れ歯を装着したときの安定性が良く、金属アレルギーのリスクも少ないコバルトクロムは、金属床義歯の定番素材として、これまで多くの入れ歯に使用されてきました。食事や飲み物の温度を感じやすく、耐久性も高いため、日常生活を快適に過ごすことができます。

チタンなどの金属と比べると、やや厚みがあるため、入れ歯を付けている感が出てしまいますが、金属床義歯のなかでは、もっとも治療費を抑えることはできるため、いまでも根強い人気を誇っています。

白金加金

ゴールド金属床

むかしからカラダへの影響が少ないとされる白金や金を素材とする貴金属床義歯は、白金加金 (PG)や金合金 (20K、18K )に分類されている金属床義歯になります。チタンやコバルトクロムと比べて、高級感のある貴金属床義歯は、生体親和性が良く、装着時の安定性も抜群なため、ほかの金属床に負けず劣らずの人気があります。

また、チタンやコバルトクロムの入れ歯はシルバーのため、お口のなかが暗い印象になってしまいますが、白金や金を素材とする入れ歯は、ゴールドをしていますので、お口のなかをパッと明るく見せることができますので、機能性だけではなく、審美性にも優れた入れ歯となっています。

ほかにも、金属の性質上、精密な加工がしやすい、お口の粘膜にピッタリと合う入れ歯を作ることができる、健康な歯や歯茎への負担を軽減させることができるなどのメリットもあります。

ただ、金属床義歯のなかでは、もっとも重量があり、患者さまの費用負担額が大きくなってしまうというデメリットもありますので、貴金属床義歯をご希望の患者さまは、ご家族とよく話し合ってから決めるのが、おすすめです。

金属床にノンクラスプをミックスしたもの

ノンクラスプ金属床

金属床義歯の機能性と、ノンスクラプデンチャーの審美性を兼ね揃えた「金属床+ノンクラスプデンチャー」は、“次世代の金属床入れ歯”と呼ばれ、注目を集めています。

お口を開いたときに見える頬側の部分に樹脂クラスプを使用することで、よりナチュラルなお口を再現しています。さらに、より入れ歯をお口にフィットさせるため、舌側には、金属床と一体化した金属スクラプが設けられていますので、違和感や不快感を覚えることなく、食事やおしゃべりを思いっきり楽しむことができます。

金属床メモ

金属床義歯に使用される素材は、金属アレルギーが起こりにくいチタン、コバルトクロム、白金などが使用されます。しかし、必ずしも“金属アレルギーが起こらない”というわけではありません。

また、金属床義歯は、「金属」という性質上、破損してしまったときの修理が非常に難しく、運よく修理ができたとしても、修理した部分に厚みがでてしまうため、金属床義歯本来のメリットが失われてしまうことがあります。金属床義歯は、保険適用外(自由診療)となりますので、製作費用や修理費などは、全額患者さまのご負担となります。

当院では、金属を素材とする総入れ歯、部分入れ歯をご希望の患者さまに、金属床義歯のメリットだけではなく、デメリットまで包み隠さずご説明させていただき、患者さまにご納得いただいてから、入れ歯の製作を始めるようにしております。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーとは、入れ歯を支えるために必要なバネ「クラスプ」を一切使わない入れ歯のことです。

このタイプの入れ歯は、義歯床とクラスプが一体化しているため、ほかの入れ歯と比べて、よりナチュラルで美しいお口のなかを再現することができます。さらに、ノンクラスプデンチャーの義歯床は、歯茎をすっぽりと覆い隠してしまうほど範囲が広く、食事やおしゃべりを思いっきり楽しんでも、ズレたり、外れたりすることなく、ガッチリと入れ歯を固定することができます。

歯茎と直接あたる部分に、柔らかくて弾力性のある特殊な樹脂素材を使っていますので、曲げても割れてしまう心配がありません。また、歯茎と同じピンク色をした入れ歯なので、お口を開けたとき、まわりの人に入れ歯を装着していることを知られることがほとんどありません。

ノンクラスプデンチャー装着の様子

ノンクラスプデンチャーは、薄くて軽い弾力性のある入れ歯ですので、装着時の違和感や不快感がほとんどありません。ほかにも、健康な歯や歯茎に負担がかかりにくい、入れ歯による味覚への影響が少ない、金属アレルギーのリスクが無いなど、さまざまなメリットがあります。

ノンクラスプデンチャーメモ

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、とても機能性と審美性に優れた入れ歯です。しかし、

  • 適用できる症例に限りがある
  • 素材自体の寿命が2~3年と短い
  • 破損しても修理ができない
  • 専用の洗浄剤でお手入れする必要がある

など、デメリットもあります。ノンクラスプデンチャーも、金属床義歯と同じく、保険適用外 (自由診療)となりますので、製作費用は全額患者さまのご負担となります。

当院では、まず患者さまのお口のなかを隅々までチェックさせていただき、ノンクラスプデンチャー適用の症例かどうかを見極めさせていただき、適用可能な症例であった場合、入れ歯を製作する前にノンクラスプデンチャーに関するメリット・デメリットをご説明いたします。

患者さまが、しっかりとノンクラスプデンチャーについて理解を深めていただき、メリット・デメリットを含め、ノンクラスプデンチャーをご希望の場合のみ、製作を始めさせていただきます。

レジン床

レジン床

レジン床とは、歯茎のようなピンク色の歯科用レジンを素材とする入れ歯のことです。保険が適用されるため、比較的お安く入れ歯を作ることができます。

しかし金属床義歯やノンクラスプデンチャーなどの保険適用外の入れ歯とは違い、お口の機能を必要最低限のところまで原状回復させることを目的として作られるため、

  • 装着感や安定感がよろしくない
  • 見た目が少し不自然
  • 食べ物や飲み物の温度などが分かりにくい
  • 臭いや汚れがつきやすい
  • 割れたり、ヒビが入ってしまうことがある

などのデメリットがあります。ですが、レジン床の入れ歯は、修理や改良などが簡単に行えるため、装着感や安定感が気になる場合、すぐに調節することができます。また、金属を一切使わずに入れ歯を作ることができますので、金属アレルギーの心配もありません。

当院が、入れ歯治療を得意とするキッカケ

入れ歯歯科医師

わたし自身が入れ歯を得意とするキッカケは訪問診療でした。大学卒後、わたしたち歯科医師は1年間の研修期間を経て、勤務先を決めなければなりません。まわりの歯科医師たちは、研修施設の指定を受けた大きな病院などを希望していましたが、わたしは、あえて多くの歯科医師がやりたがらない現場「訪問歯科」を選びました。

訪問歯科診療の現場では、たくさんの高齢者の入れ歯治療を経験させていただきました。

患者さまからおそわった入れ歯

説明

患者さまのお口の状態は、1人1人違うため、わたしは来る日も来る日も、入れ歯の製作と調整を繰り返し、ときには苦い経験をしながら、入れ歯のイロハをたくさん覚えて、とことん知識と技術を磨きました。

患者さまの声に耳を傾け、お口の状態を確認しながら、入れ歯を1つ1つ丁寧に作っていくこと。
これが、とっても大切なことだということを、当時の患者さまから教えてもらいました。

入れ歯の治療でもっとも大切なことは、誰よりも多くの患者さまのお口を診て、患者さまの気持ちに寄り添った治療することです。

さまざまなケースの経験をこなさないことには、患者さまにピッタリな入れ歯をお作りすることはできません。

もっとも得意とする治療の一つ

歯科医師

わたしは1年間の研修期間として、多くの仲間たちが避けていた、もっとも難しいとされる入れ歯治療の現場に飛び込みました。わたしは、そこで“入れ歯は、決して怖くない治療である”ということを学び、いまでは歯科治療のなかで、もっとも得意とする治療の一つとなりました。

一般歯科医院の勤務をしていると、入れ歯の患者さんは、そこまでいらっしゃいません。しかし入れ歯で悩んでいる患者さんの人口は多く、その分入れ歯治療のニーズもたくさんあります。

わたしは入れ歯の専門医ではありませんので、超難症例ケースの患者さまの入れ歯をお作りすることは難しいかもしれません。ですが、戸塚区内にお住いの方で、入れ歯に関するお悩みを抱えている方がおりましたら、ぜひ当院までご相談ください。

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